磯デビュー(潜らなくてもウミウシに出会えるんだ!)

 私の磯デビューは、今思えば、私が幼いとき、いまは亡き父が当時よく連れて行ってくれた神奈川県真鶴町の三ツ石海岸の潮溜りでした。
 父は動物や魚が好きだったため、弟とよく連れて行ってもらったものです。
 そんなこともすっかり忘れていたある日、突然、磯との再開の日がやってきました。

 2001年9月のことです。
 私達夫婦は伊豆で潜るために東伊豆の川奈に向かってました。この日は朝から北東の風が強く、川奈に到着してみると案の定クローズです(川奈は北東風に弱いポイントなのです)。
 しかし、今夜は下田の保養所に宿を予約してあるので、このまま帰る訳にはいきません。
 とりあえず下田方面に向けて車を走らせました。

 私「どうする」
 妻「どうしようか?」
 私「伊豆シャボテン公園?」
 妻「・・・・」
 私「バナナワニ園?」
 妻「・・・」
 私「鶴亀ランド(伊豆アンディーランド)?」
 妻「・・(でもちょと行きたそう)」

 と、こんな会話をしているうちに下田まで来てしまいました。
 チェックインにはまだ早かったので、ホテルの下にある磯に降りてみました。
 潮が引いた状態で所々に潮溜りが出来ています。
 先に降りていた妻に冗談半分で「ウミウシいる〜?」と聞いてみたら、「ちょっとまって!」「いた!!」と返事があるではないですか!
 「ほ、ほんと!?」と急いで妻の元にいくと、小さな潮溜りに、ちいさなミドリガイの仲間がいます。
 それを見た私は「うわーこれなんだ?触角が赤いぞ!南洋系っぽいな!!さすが下田!」と大騒ぎです(この時、妻は既に「コノハミドリガイ」だよ・・とわかっていたそうです でも、浅い水深の太陽光下で見るウミウシは本当に色鮮やかでキレイなのですよ)。
 で、私は「ちょっと見張ってて!、撮影するから」と言って直ぐにウエットスーツに着替えて、磯の潮溜りに四つんばいになって撮影しました。
 私が撮影している間に、妻が別のウミウシを探してます。すると妻も今度はちょっと興奮気味に「なんか変なのがいたよ」と叫んでいます。
 「なになに」と妻の元に行って見ると黒い小さなウミウシがいます。肉眼ではなんだかわからないので撮影し、確認します。
 するとそれはなんと「ツマグロモウミウシ」だったのです。このウミウシは先月の越前でも居たそうなのですが、タッチの差で見逃していたウミウシです。
 まさか、こんなところで出会えるなんて夢にも思っていませんでした。
 もう夢中で撮影しました。気が付けば潮が満ちてきて潮溜りは無くなってます。妻が車の方から呼んでます。「もうちょっと、もうちょっと」と、ぎりぎりまで粘って撮影しました。

 海から上がって、ホテルの駐車場で水道を借りてカメラやウエットスーツを洗っていると、スタッフの方がタオルを持ってきてくださいました。いま思えば、かな〜り恥ずかしかったでのですが、そのときは興奮状態だったようで、笑顔で「ありがとう!」と返事してました。

 その夜はビールを飲みながら、撮影したウミウシを見てニヤニヤしてたのは言うまでもありません・・・

 そう!ウミウシはとても浅い水深にもいるのです(もちろん深いところにもいます)。
 私が思うに、餌がある場所なら水深はあまり関係ないようです。
 また、浅い水深でないと見られない種類のウミウシもいます。これは、そのウミウシの餌がそのような場所にしかないからだと思っています。
 私の場合、このようにしてダイビングと磯との二通りのウミウシ探しが始まったわけなのです。


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